このプランは、特に広大な丘の景色に絞って、冬の美瑛を散歩するものになっています。美馬牛駅を出発し、クリスマスツリーの木を経由し、新栄の丘までたどり着いたら来た道を引き返します。
道中全て雪道、途中休憩場所やお手洗いはないので、往復3時間は見て、前後の計画を立てるのがいいと思います。
出発地は富良野線美馬牛駅。ほぼ2時間に一本しかない路線で、駅の中は本当に何もありません。というかこのプラン全体に言えますが、何もありません。ただ何もなさがかえって貴重なものになっています。時間が止まったような空間で過ごすのも、味があって良い体験です。駅舎は申し訳程度に小さいストーブと古いお手洗いがあるだけ。お手洗いはここ以外はないので、ここで済ませておくようにしましょう。
駅を出て先にある佐藤商店までまっすぐ行き、右折します。とてもシンプルなので迷うことはないでしょう。
ご覧の通り何もなく、駅前から静けさに支配されています。右に曲がっても静かな街並みが続きます。これでも家が多かった、一応駅前だったんだなということにすぐ気付くことになります。
道が少し右にカーブするところまでしばらく直進します。そのまま道なりに行くと踏み切りを渡ってしまうので、その前に左に曲がります。
ちょうどカーブを示す看板の下あたりに左に入る道があります。曲がるとどこまでもまっすぐ続く道が現れます。
最初に出会う十字路までひたすらまっすぐ進みます。先ほど左折してからほどなく、一気に視界が開け、美瑛の丘らしい雄大な景色が広がってきます。本当急に丘の中に来たよう。十字路まで来たら右に曲がります。
曲がる前に来た道を振り返ってみてください。まっすぐ続く道の向こうに雪に覆われた山々が広がっているはずです。
歩くたびに雪が反射して煌めき、息を飲む美しさ。雪を踏みしめる音も心地よいです。
この頃にはすっかり周りは素晴らしい景色に覆われます。人や車の気配もなく、民家や建物もなく、ひたすら雪景色に包まれます。きらきらした雪原には動物の足跡がちらほら。
T字路まで道なりにずっと進みます。
美瑛の丘巡りには必ずと言っていいほど登場する「〜の木」の一つ。一面なだらかに広がる真っ白な丘に、この木だけぽつんと立っています。夏とはずいぶん印象が違い、モノトーンの色合いもまた味があります。
突き当たりのT字路まで来たら、左へ曲がります。*ここで右に曲がってしまうと大分遠回りになるので注意してください。
次に写真にあるB-4 31という看板が見えたら右に曲がりましょう。ここまでくれば新栄の丘まではあと少し。
新栄の丘への最後の上り坂です。おだやかな上り坂なんですが、雪道なのとずっと上りが続き意外と疲れます。丘というよりちょっとした山みたいです。疲れたら後ろを振り返って眺めを楽しんだり、立ち止まってどこまでも続く静けさを楽しんでみて。上った分眺めはよくなっているのであと一息!
上りきったT字路を右に曲がれば、新栄の丘に到着です。残念ながら新栄の丘は冬季は雪に埋もれて入ることはできません。ただここまでくれば、目の前には素晴らしい絶景が広がっているはずです。
ゆるやかにカーブを描く丘がいくつも連なり、全てが白く覆われて、遠くには十勝岳連峰がそびえます。彩り豊かだった夏とは一転して、白黒だけの冬の荒涼とした風景がより絶景感を増します。
写真を撮ったり、眺めを楽しんだり、静寂を存分に味わったら、来た道を美馬牛駅まで引き返しましょう。帰り道も足元には気をつけてください。
●駅までの往復になり、道中お手洗いはありません。全面雪道なので、通常以上に時間がかかります。通常の1.5倍はかかるとみておいた方がいいです。飲み物は持参し、お手洗いは駅で済ませましょう。
●冬季に限らず、畑への侵入は厳禁です。近年心ない観光客などが写真を撮るために畑に入り荒らされ、有名な木をやむを得ず伐採する事態にもなっているそうです。美瑛の素晴らしい景色は農家の方々の積み重ねでできています。冬季は道が特にわかりづらいので、迷ったら車道から脇には入らないようにしましょう。
●雪国の人ではない場合は、足元に十分気をつけてください。わかってるよと思っていても、実際滑る時は滑り、転ぶと結構痛いです。一つのコツとして歩幅を小さく歩くといいです。
●びえいロードマップという地図が旭川空港や美瑛駅前にある四季の情報館という観光協会の施設で手に入ります。交差点に設置された看板と、地図内の場所が対応しているので、目印のない丘めぐりに大変便利です。