高梁市の市街地からはなれた吹屋地区は、岡山自動車道賀陽ICから車で約50分ほどの場所。吹屋の町並み、ベンガラ色で統一された本当に美しい町並みです。
朱色とはちがう、すこしくすんだ紅色のベンガラは、日本古来の色のひとつとして、陶器や布、建物などの色づけなどに利用されてきました。
吹屋の特徴は、街全体が統一されたコンセプトで造られていること。当時のベンガラ(赤色の顔料)で財を成したお金持ちたちは、個々の豪華さを競うのではなく、赤銅色の石州瓦とベンガラ色で街全体をそろえ、街としての美しい景観を作り出しました。江戸時代としては画期的な発想であり、現在もこの町並みが残っているのは、奇跡的なことといえます。
メインストリートからはずれて、5分ほど歩くと、旧吹屋小学校があります。かなりいい雰囲気の建物です。1900年(明治33年)に建物が完成し、学校は2012年に閉校。それまでは現役の木造校舎として国内最古でした。※保存修理工事に入り、現在は見学できない可能性あり
近くには、ホテル「ラ・フォーレ吹屋」があります。
吹屋ふるさと村にある「旧片山邸」と「郷土館」を訪れます。ここは、ベンガラの製造と販売を手がけた商家の家。どちらも見ごたえのある建物です。
個別入館料:大人400円、小人200円
営業時間:9:00~17:00
歩き疲れたら、茅葺き屋根のカフェ「紅や」へ。店内は、一見ガラクタのような物であふれていますが、工夫やセンスが散りばめられて、絶妙にアートな空間にまとまっています。吹屋ふるさと村には、他にもいくつかカフェや飲食店があります。
営業時間:10:00~18:00
定休日:不定休
吹屋ふるさと村から車で3分くらいの「ベンガラ館」へ。
紅色をつける顔料ベンガラは、スペインのアルタミラ洞窟の壁画なども使われている、人類最古の顔料ともいわれます。そんなベンガラを作る、ベンガラの工場を復元したものが、こちらの「ベンガラ館」。ベンガラの製造工程を詳しく知ることができます。
入館料:大人200円、小人100円
営業時間:9:00~17:00
「ベンガラ館」からすぐの「笹畝坑道」へ。
こちらの「笹畝坑道」は江戸時代から大正時代まで採掘されていた坑道です。主に黄銅鉱、硫化鉄鉱が採掘されました。
ちなみに、硫化鉄鉱に、水をかけて風化させると硫酸鉄ができます、それを水で抽出するとベンガラの材料・ローハ(緑礬りゅくばん)ができます。乾燥させたローハを、粘土の盆にしいて、窯で焼くとベンガラ(酸化鉄)が完成。この製法を編み出した吹屋で、国産ベンガラの製造が始まり、富を得た長者たちによって吹屋の街並みが作られました。
個別入場料:大人300円、小人150円
営業時間:9:00~17:00
江戸末期に建てられた、城郭のような富豪の家「広兼亭」。ここは、他のスポットからちょっと離れています。吹屋ふるさと村から車で10分くらい。
銅山経営とベンガラの原料のローハの製造で巨万の富を築いた富豪の家です。ここは 映画「八つ墓村」のロケが1977年と1996 年の二度行われました。※2015年9月から2017年2月末まで保存修理工事中で見学不可
入館料:大人300円、小人150円
営業時間:8:30~17:00
ベンガラ色の美しい町並みや、ベンガラの歴史にふれる旅を、吹屋でぜひ楽しんでみてください。
同じ高梁市の備中松山城のプランはこちら
http://play-life.jp/plans/11808