『黒部の太陽』をご存知ですか?
1956~1963年までの黒部ダムの建設工事の様子とその人間模様を描いた木本正次の小説です。
その後1968年、1969年には石原裕次郎などが出演する映画・テレビ化をしたり、近年は2009年に香取慎吾などがテレビドラマ版で出演しました。
黒部ダム建設工事の現場はあまりにも奥地であり、初期の工事は建設材料を徒歩や馬やヘリコプターで輸送するというもので、作業ははかどらず困難を極めました。
このためダム予定地まで大町トンネル(現在の関電トンネル)を掘ることを決めたものの、トンネル内の破砕帯から大量の冷水が噴出し、死者が多数出る大変な難工事となりました。
黒部ダムへは長野県の扇沢駅からトロリーバスで向かいます。
通るのは長野県と富山県を結ぶ立山黒部アルペンルートです。
トロリーバスは現在、関電トンネルと立山トンネルでしか運行されていない日本唯一の交通機関です。
このトロリーバスは普通のバスとは違って、ガソリンではなく電気を動力として走ります。
排出ガスによる公害が全くなく、自然に配慮したエネルギー源を利用しているので環境汚染の心配がありません。
電力を使っている乗り物には電気自動車などもありますが、充電しないと走れない電気自動車より、架線があればいつでも走れるトロリーバスの方が効率的です。
架線があれば普通の車のようにタイヤで走れるので、線路を引く必要もありません。
全長5.4kmの長い関電トンネル内は急勾配もありますが、その勾配に強いというのも特徴です。
また動力源はモーターなので非常に静かで振動も少ないというのも特徴の一つです。
さらにこのトロリーバスは鉄道の一種として区分されているユニークな乗り物なのです。
約6kmの間を16分で運行しています。
実はこの関電トンネルが「世紀の難工事」と言われた場所なんです。
バスの中から大破砕帯のポイントも見ることができるので、チェックしてみましょう!
『黒部の太陽』でよく描かれるのはこちらのトンネル突破のシーンです。
黒部ダムに到着しました。
ちなみに黒部ダム観光は観光期間が決められていて、平成28年は4月16日~11月30日となっています。
事前に確認することを忘れないようにしましょう!
さらにこちらのダムなんですが、放水期間も決まっているので流れている様子が見たいときには事前にチェックしておきましょう。
平成28年の放水期間は下記の通りです。
6月26日~7月31日 6:00~17:30
8月1日~9月10日 6:30~17:00
9月11日~10月15日 7:00~16:30
※メンテナンスや水量などによって放水が出来ない場合もございます。ご了承ください。
このように期間限定で放水していることを「観光放水」と呼ぶそうです。
なんと毎秒10トン以上も放水しているとのことなのでその迫力は圧巻です!
黒部ダムは、世界的に見ても大規模なダムで、周辺は名勝・中部山岳国立公園でもあることから多くの観光客が訪れます。
また、黒部ダムにはトンネル工事などで犠牲になった171名の殉職者を弔う慰霊碑があります。
こちらの銅像は彫槊家の松田尚之氏が手がけたもので、殉職者の名前が刻まれたプレートが掲げられています。
『黒部の太陽』の作中にも発破の爆破事故や破砕帯からの水の流出で人が亡くなるシーンがありますが、実際にあったことだということがよりリアルに感じられます。
黒部ダムの迫力と当時の工事の様子に思いを馳せた後は「黒部ダムカレー」を食べに行きませんか?
ダムカレーは全国各地のダムの近隣施設やレストランで提供されるダムの形をしたカレーですが、中でも黒部ダムカレーは種類数が最大級です!
こちらの写真はレストハウスの黒部ダムカレーですが、黒部ダムの周辺施設ではなんと20種類近くの黒部ダムカレーが楽しめてしまいます。
HPをチェックしてお気に入りの物を探しに行きましょう!