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勝浦で地酒を愉しもう!酒蔵見学レポ【日本酒・腰古井・東灘】

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2017/06/17
勝浦で地酒を愉しもう!酒蔵見学レポ【日本酒・腰古井・東灘】
千葉県勝浦市には蔵元がいくつかありますが、地元で「この2つは押さえるべし」と教えてもらった蔵元2大酒蔵を見学。 日本酒の仕込みは長くても10月~5月で今はオフシーズン。仕込み自体を見学することはできませんが、蔵元の想いを知りたくて取材へ。 勝浦は海がきれいで素敵なキャンプ場や宿泊施設が点在。せっかく泊まるなら地酒を調達して、勝浦を丸ごと楽しんでみてください♪
・掲載時点の情報です。最新情報については各施設のHPをご確認ください。
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吉野酒造吉野酒造吉野酒造吉野酒造吉野酒造

まずはレンガの煙突と「腰古井」の看板がそびえ立つ吉野酒造へ。
吉野酒造は1830年から続く老舗酒蔵。
見学には予約が必要ですが、購入だけなら予約なしでふらりと立ち寄ってもOK。駐車場もあります。

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大きな杉玉、これぞ造り酒屋。
杉玉は杉の葉を丸めたもので、酒林(さかばやし)とも呼ばれます。
秋に収穫されたお米を使い、11月頃の寒い時期から年末にかけて搾られるお酒を「新酒」と言います。
新酒ができたことを知らせるために吊るされるのがこの杉玉。今では「新酒できました」というポスターがその役割ですが、昔の人はプロモーションも粋だったんですね。

吉野酒造吉野酒造

まず案内されたのは、敷地内にある祠。
お酒と神様とのつながりは深く、神事では「お神酒」を神様に捧げます。初詣でいただくことも多いお神酒ですが、「清らかなもの」「神様に近づけるもの」という意味が込められているそうです。
昔からこの「お酒を造ること」自体が神事とされ、酒蔵の敷地内に神様が祭られている蔵元も少なくありません。

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吉野酒造のこだわりはなんといっても精米。
酒造りの極めて重要な第一歩、精米を酒蔵内で行うための専用精米機(巨大!)を備えています。ゆっくりと時間をかけて丁寧に精米。
なんと吟醸クラスの酒造好適米になると、13~20時間とほぼ1日がかりで磨き上げるとのこと。
ご飯として食べるお米の精米は一瞬で終わりますが、お酒造りだとその何十倍何百倍も手間暇がかかるのですね…しかも、その時の気候やお米の状態に合わせて磨き方を変えているとのこと。
お酒造りの大変さと繊細さを再認識しました。

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6月初旬、この日はたまたま梅酒を仕込んでいました。
私は実家に梅の木があり梅酒をよく仕込みますが、まさにその作り方と同じく一つ一つ手作業!このヘタ取り…実に大変…毎年社員総出で作業されているんだそうです。

梅がとても大きく粒揃い、手作り、なのに梅酒はお手頃価格。
なぜこの価格が実現できるんですか?と聞いたところ「国の地域資源活用事業で、地元農家の活性化を応援する事業なんです」とのこと。
勝浦でも地元農業者の高齢化により、放置された梅の木が増えているという現状を知り、何とか力になりたい…と梅酒の開発を始めたのが平成21年。
日本酒との相性や味わいなど研究を重ねた結果、口コミで人気が広がり毎年楽しみに待っているファンもいるそうです。

吉野酒造

たまたま「蔵人」に遭遇!この時期にお会いできるのは珍しくテンションが上がりました。
蔵人とは酒造りをしている方のことで、その酒蔵の最高責任者が「杜氏」。
なので、基本的には杜氏は蔵に一人です。

吉野酒造では2008年から日本三大杜氏に数えられる南部杜氏の技を継承する瀬川英雄さんが杜氏として酒造りをけん引。
数々の賞を受賞していますが「昔ながらの手仕事に最善の努力をしているだけ」と瀬川さんはおっしゃっているそうで、職人の粋を感じます。
今はオフシーズンでお会いできず残念!
吉野酒造では11月〜4月の約5ヶ月間、岩手の花巻から杜氏の瀬川さんや蔵人たちがやって来ます。
気温や湿度など小さな環境の変化に対応すべく、品質や経過を注視しながら蔵人たちに手をかけられて酒造りが行われるそうです。
昼夜を問わず見守り続けて造られたお酒ーー大切に味わいたいと改めて感じました。

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私は車だったので試飲できませんでしたが、試飲・購入も可能。
ズラリと並んだ銘柄に目移り…酒粕まであります。
ぜひじっくり飲み比べて、自分好みの日本酒を見つけてください。

【吉野酒造 公式HP】
http://koshigoi.com/index.html

【吉野酒造 公式Facebook】
https://www.facebook.com/syuzou.yoshino/

【吉野酒造 オンラインショップ】
http://yoshino-shuzou.shop-pro.jp/

吉野酒造
場所:千葉県勝浦市植野571
アクセス:【電車】JR上総興津駅からタクシーで約10分 【車】 圏央道 市原鶴舞インターから国道297号 → 県道82号で約40分
営業時間:月~土…8:00~17:00/日・祝…10:00~17:00 【見学】月~金のみ…10:00~12:00、13:00~15:00(5日前までに要電話予約)
東灘醸造東灘醸造

続いて勝浦市串浜の東灘醸造へ。ひがしなだ、ではありません。「あずまなだ」です。
本来見学は受け付けていませんが、どうしても何が何でも見学したい!という方は、事前に連絡し、見学の目的や熱意を伝えて交渉しましょう。駐車場がなく道も細いため、飛び込みで行っても見学は難しいと思います…!
勝浦市内のスーパーや酒屋で購入できますので、ぜひこのラベルを見たらお手に取っていただけると嬉しいです♪

東灘醸造東灘醸造東灘醸造

1867年創業、なんと今年は創業150周年!おめでとうございます。

出迎えてくれたのは勝浦の地下からくみ上げているという仕込み水。
とってもやわらかくて澄んだ水でした。海のイメージがある勝浦ですが、実は山里の美しさも魅力の一つ。

東灘醸造東灘醸造

昔ながらの手造りにこだわる東灘酒造。機械化する酒蔵が多い中、手間暇かかる手造りを続けるのは大変難しいこと。
どんなに気を配っても、その年の気候やお米によって品質や味わいが少しずつ変わってくるのが難点…ですが、個人的にはその「毎年違う」ことこそが日本酒の本当の楽しみ方なのかな、と。
ワインも年や土地によって違う味わいを楽しむのと同じです。むしろ味が違ってしまう「不安定さ」、その中から自分の好みを見つけることこそが真髄だと私は思っています。

東灘醸造東灘醸造東灘醸造

蒸したお米を仕込み樽に移動するための道具も手造り!毎年少しずつ試行錯誤を重ねているそうです。
オフシーズンの今は涼しく広々した部屋ですが、仕込みが始まると熱気に包まれるんだとか。

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壁に何げなくかかった昔の帳簿が酒蔵の歴史を語っています。これは飾りではなく、本当に使っていた帳簿。とても貴重な気がするのですが、メモがないときはぺらっとちぎって使ってるよ~と笑顔の社長。

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仕込み樽用の穴も手作業で開けているそうです。本当に何もかも手造りなんですね。写真では伝わりにくいのですがこの樽はとても大きく深く、半径2m以上、深さも3m以上。落ちたら出られません。

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最近まで使われていたという搾り機。歴史を感じます。
壁に書かれたチョークのメモ、高い天井を支える立派な梁…アンティーク好きな私には一つ一つが素敵に見えます。

東灘醸造東灘醸造

今回は社長の君塚さんにご案内いただきました。
海の幸が豊富な勝浦の料理に合うよう、淡麗ですっきりしたお酒に仕上げているそうです。
辛口「東灘(あずまなだ)」はもちろん、無濾過「鳴海(なるか)」も人気。勝浦市内のスーパーや酒店の他、千葉駅「いまでや」でも購入できます。

【東灘醸造 公式HP】
https://www.azumanada.jp/

キャンプやサーフィンで勝浦に訪れた際は、ぜひ地酒もお楽しみください。

東灘醸造
場所:千葉県勝浦市串浜1033
アクセス:勝浦駅から車で約5分(徒歩20分)
東金・茂原・勝浦×ランチ・グルメのプラン
※ 記事の情報は取材時点でのものとなりますので、変わっている可能性があります。