先ず、こちらのお寺で目を引くのは、やはり、こちらの階段でしょう。
奉納旗がはためく、趣きある苔の階段。
下から見上げると、その美しさに魅了されます。
以前は、ここを上がる事もできたようですが、現在は、滑るのと苔を守る観点から、登ることはできません。
今回は、2月に訪問したので、苔の美しさは半減しておりますが、春から夏にかけては、その青さが引き立ちます。
美しい苔の階段を見るのであれば、その頃の訪問をオススメします。
こちらのお寺の縁起を簡単に。
731年(天平3年)東国の旅をしていた行基(ぎょうき)は、ここが、観音様を祀る場所にふさわしいと考え、自ら彫った十一面観音を安置したことから始まったとされます。
本尊として、三体の十一面観音立像があります。
本堂奥に安置されており、間近での拝観はできませんが、向かって左の像は、その行基が建立時に安置したものです。
中央の像は円仁慈覚大師の作(重要文化財)、向かって右の像は、源信恵心僧都の作(重要文化財)とされております。
一度に三体のもの観音様が見られるのは、とても珍しいです。
かつて馬に乗ったまま、杉本寺の門前を通ろうとすると、必ず落馬したが、蘭渓道隆(らんけい どうりゅう、建長寺開山)が行基作の像の顔を袈裟で覆ったところ、落馬する者はいなくなったといいます。
このため行基作の像は「覆面・下馬観音」と呼ばれています。
こちらが本堂になります。
茅葺の屋根が素晴らしく、どっしりと、風格ある構えになってます。
坂東三十三観音霊場、鎌倉三十三観音霊場の、第1番札所とされており、巡礼の人々で賑わっております。
これからの季節は、桜も咲き、さらに素晴らしい景色がみられます。