小石川後楽園は江戸時代初期、水戸徳川家の祖である頼房が江戸の中屋敷の庭として造ったのが始まりで、完成したのは二代藩主の光圀の代。明の儒学者である朱舜水の意見をとり入れて作られた庭園で、後楽園という名前も中国の教えからきているそう。
そしてそれこそこの庭園の特徴で、他の庭園にはない小石川後楽園らしさを作っています。中国的な作りがところどころに表現されているのが見どころ。他の庭園である旧古河庭園や岩崎邸庭園が和洋折衷ならば、和中折衷といったところ。
最寄り駅は都営大江戸線飯田橋駅で、C3出口より歩いて3分。他路線の飯田橋駅からだと8分で、ちょっと遠くなります。後楽園駅、水道橋駅からでもそれぞれ8分でアクセス可能です。
園内に入るとまず飛び込んでくる、琵琶湖の景色を表現した大泉水という大きな池を中心に散策していきます。
散策の順路は特になくどちら周りでもOK。ここでは反時計回りに主な見どころを紹介していきます。
龍田川と離れると延段という階段が現れて、山奥へと誘います。小石川後楽園では主な見どころにはこのような趣きのある看板を設置しているので、説明を読みながら巡れます。
内庭を過ぎて竹生島が見えると折り返し。島と呼ぶには小さいですが琵琶湖にある竹生島という実際の島を模しているそう。
一つ前の木曽川もそうですが、各地の観光名所をイメージして作られた景色が多くあります。さらに各日本庭園ごとに元になった名所は異なり、それらを見ていくのも楽しみの一つ。
また大泉水沿いに道が続きます。この辺りでは池の中心にある蓬莱島がより間近に見えるはず。上陸はできませんが、島にある神聖な雰囲気漂う鳥居や、岸辺で羽を休めるカルガモなど野鳥を見て楽しみましょう。
円月橋や得仁堂など中国由来の建築物もちらほらと。他に西湖の堤、小廬山など、中国を感じさせるものは多く、小石川後楽園ならではの風景。
それらが違和感なく、庭園全体として調和している様は見事です。
透き通って静かな水の流れに耳をすませて、川の中に佇む岩の眺めを楽しむ、とても贅沢な時間。橋の上や遠くから眺めるだけでなく、沢渡りという川を横断するように置かれた岩もぜひ歩いてみて。