六義園は、和歌で詠まれた全国の名所を「八十八境」として表現することをコンセプトに、88ヶ所の見どころを持つ庭園。
その多くで和歌山に実際にある名所をモデルにしているそうで、なんと和歌山市のウェブサイトにも紹介されているほど。
和歌で詠まれた名所をテーマにしていて、見どころの全てを園内の看板で表示していないので、ある程度日本庭園に行きなれている人か和歌山にゆかりのある人の方がより深く楽しめるかも。
もちろん散歩初心者でも、巨大なしだれ桜や峠からの景色など十分楽しめますのでご安心を。
六義園の外周は、明治時代に岩崎財閥が購入した際に作られた赤煉瓦の塀に囲まれています。
園内に入ると内庭大門の先に巨大なしだれ桜が。桜の時期以外は寂しい見た目ですが、開花の時期には頭上から滝のように流れる綺麗な桜が見られます。
「しだれ桜と大名庭園のライトアップ」という名前で例年3月下旬にライトアップもされます。
ちなみに2018年は3/21〜4/5
http://teien.tokyo-park.or.jp/contents/info031.html
しだれ桜だけでなく庭園もライトアップされるのが六義園ならでは。
貸し出し施設なので通常は入れない心泉亭も、ライトアップの時期は中に入って抹茶をいただけます。
園内に入りしだれ桜を過ぎると目の前に現れる大泉水という大きな池が現れます。このような大きな池は他の日本庭園にもよく見られるもので、この池沿いに散策路が整備されています。
池からは島や対岸の建物、生い茂る緑など良い眺めを楽しめます。
池沿いを時計回りに進んでいくと、池の中に蓬莱島が見えます。この島は庭園ができた当時ではなく、明治時代にできたもの。石組みのアーチとその上から立ち上がる松のバランスが美しいです。
88ヶ所全てを紹介していないとは言え、主要な見どころの近くにはこのように看板が設置されています。
園内入り口のちょうど反対側辺り、大泉水沿いに吹上茶屋という抹茶と茶菓子をいただける建物があります。
趣きのある建物で、目の前に広がる景色を眺めながら抹茶をいただくのは至福のひととき。
池から少し奥まったところには滝見茶屋というあづまやが。
滝見茶屋の中に入ると、向こうに見えるのは岩の壁、そこから流れる滝、透き通った水面。
水面を引き立てるよう配置された岩を眺めることができます。しばし座って眺めながら、水の音に耳を澄ませましょう。
滝見茶屋から大泉水の方を見ると千鳥橋が見えます。ゆるやかにカーブする橋と池の組み合わせがまた良い眺めです。
千鳥橋を渡り尋芳径へと足を踏み入れると、鬱蒼とした緑に道の両側を挟まれ雰囲気が一転。そこから水辺を離れて山奥へと入っていきます。
紅葉の時期は見事な眺めの水香江。開園当初は蓮池だったそうですが現在水は流れてなく、紅葉の時期以外はちょっと寂しい景色。
ただ、ライトアップの時期には霧と青い光で、かつての流れを再現するという粋な演出を行うそう。
水香江の先にはつつじ茶屋。この辺りは大泉水の開放感もなくすっかり深い山奥の雰囲気に。
六義園最大の見どころ、藤代峠です。標高は35m。数字だとイメージが湧きづらいですが、登頂直前の石組みの階段は急で、なかなか登りごたえがあります。その分足元に広がる園内の眺めは素晴らしいです。
登り切ると小さいスペースにはベンチがあり、のぼってきた足元にはつつじ、さらにその下には大泉水が広がっています。
再び大泉水に戻ってくると、出汐湊に出ます。
ここは大泉水の中にある島と湖畔に挟まれたエリア。ゆるやかにカーブする浜辺と池の風景がとてもバランス良く見えるビューポイントです。ここからは視界にビルが入らないので、写真におすすめ。
【最寄り】
JR山手線 東京メトロ南北線 駒込駅より徒歩7分
【開園時間】
9:00〜17:00(入園は16:30まで)
【定休日】
年末年始(12/29〜1/1)
【入園料】
一般 300円
65歳以上 150円
(小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)