安養院は、1225年に北条政子が夫、源頼朝の菩提を弔うために建立した長楽寺が前身といわれています。
安養院とは政子の法名です。
長楽寺は鎌倉幕府が滅亡した際、戦火で焼け落ちてしまいました。
室町時代になり、現在の地に再建されたと言われています。
もともとこの地には尊観が開いた浄土宗の善導寺がありました。
のちに北条政子が亡き夫頼朝の冥福を祈って、建てた長楽寺が焼失したため、鎌倉末期にこの善導寺の跡に長楽寺を移し、政子の法名である安養院を院号としこれが寺名になったといわれております。
その後、江戸時代の始めに田代寺の千手観音を移しました。そのため、こちらの観音さまは別名「田代観音」と呼ばれています。
本堂には北条政子の像などが安置されており、坂東三十三観音、鎌倉三十三観音第3番・鎌倉二十四地蔵第24番として、多くの参拝者で賑わっております。
境内を入ると、一番に目につく、立派な木。
本堂前に生えている槇の巨木は、樹齢700年ほどと推定されています。
宝篋印塔に眠る尊観上人が手ずから植えたという伝説が残るご神木です。
立派な枝ぶりで、鎌倉市の天然記念物に指定されています。
山門を入って左に見える日限地蔵尊。
日限地蔵尊とは、願をかけると、決まった日数内に願いをかなえてくれるといわれる、お地蔵さまのことです。
全国各地にありますが、安養院の日限地蔵尊は鎌倉二十四地蔵の一つに数えられています。
北条政子と源頼朝が恋愛結婚であることにちなみ、縁結びのご利益があるといわれ、参拝者が絶えることはありません。
みなさんも、ぜひ、ご利益をいただいてくださいね!
そして、これからの季節、一番の見どころはツツジです。
安養院のツツジは、門前と境内に合わせて200株ほど植えられています。
人の背丈以上に高く成長したツツジが、一斉に花を咲かせると圧巻の美しさです。
ツツジは三門や宝篋印塔を覆うように咲き誇り、毎年ツツジ目当てに大勢の観光客が訪れます。
ゴールデンウィーク前後に見ごろを迎えるため、ツツジを目当てに訪れる際は、時間に余裕をもってスケジュールを組むといいと思います。