鳥居と言えば燃えるような赤が真っ先に思い浮かびますね。
しかしここの鳥居は雪のような真っ白さ。
この特徴的な鳥居が待ち構えている神社こそ「鎌倉宮」です。
場所は鶴岡八幡宮から西へ歩いていった所にあります。
バスもありますが、古き良き街並みを眺めながら歩いていくのがオススメです。
途中に地図もありますし、標識もあります。
歩いていると、「岐れ路(わかれみち)」というきれいな名前の信号機がありました。
鎌倉宮に祀られているのは「大塔宮護良親王」という方です。
大塔宮護良親王は後醍醐天皇の3番目の皇子で、帝の皇子ながらも父である後醍醐天皇の御世を目指し、鎌倉幕府の討幕のために戦をしていた、とても父親想いの皇子さまです。
しかしながら、いざ後醍醐天皇の親政が始まる、というときには、なんと、あらぬ疑いをかけられ幽閉されてしまいます。
そしてそのまま命を落としてしまう、とてもさみしい皇子さまなのです。
本殿の少し手前にある「厄割石」。
小さな盃に、ふーっと息を吹きかけ、目の前の岩に目掛けて思いっきり投げつけて下さい!
そうすることによって、自身の厄(悪いもの)を祓えるそうです。
護良親王の家臣に村上彦四郎義光という方がいました。
村上さんは吉野山での戦の際、追い詰められ自害しようとした護良親王の身代わりとなって自害をし、護良親王を逃がした、というお話が残っています。
そんな家臣の鑑のような村上さんに、自分の厄を身代わりになって受けてもらいましょう。回復のご利益があるそうです。
腰が痛いなら腰をさすり、頭痛がひどいなら頭をさすり。
…ちょっとかわいそうな気もしますが。
もっと歴史に触れたい!という方は、拝観料(中学生以上300円)を払い、奥へ奥へと進んでみましょう。
護良親王が幽閉された土牢が見れます。
こんな薄暗い狭いところに帝の皇子(当時帝は現人神と言われていた。つまり帝の皇子は神の子。)が閉じ込められていたのか…と思うような場所でした。
特に撮影禁止などとは書かれていませんでしたが、物物しい雰囲気に負け、正面からは写真を撮りませんでした。
他にも宝物庫なども観覧できます。
護良親王が戦の際に兜の中に獅子頭のお守りを忍ばせ自らを守っていたという言い伝えがモチーフになったお守りです。
獅子頭は厄を食べ幸福を招くと言われているようです。
実際に、「命に関わる交通事故に遭ったのに自分自身は軽傷で済み、車に置いていた獅子頭のお守りがぱっくり壊れていた。」なんてことも書いてありました。
まさに身代わり、ですね。
真白い鳥居に祀られたさみしい皇子さま。
しかし護良親王は、雛鶴姫という生涯を共にした女性がいて、とても仲睦まじい夫婦だったということも伝えられています。
もしかしたら、夫婦円満にもご利益があるかもしれないですね。
珍しい真白い鳥居、ぜひ見に行ってみてください!
[鎌倉宮公式ホームページ]
http://www.kamakuraguu.jp/