叡電一乗寺駅から山側に歩いてすぐ、詩仙堂の生け垣が見えてきます。この門は小有堂という名前で、竹林を抜けると詩仙堂の入り口。
名前の由来は、中国の詩家36人の肖像を掲げた詩仙の間から。
徳川家の家臣であった、石山丈山が隠居のために作った山荘で、この理想的な静かな邸宅で90歳で亡くなるまで詩歌を存分に楽しんだそう。理想的なセカンドライフの過ごし方ですね…。
余りにも有名な庭の風景ですが、写真に映らない「撮ってる側」の屋内も魅力がたくさんです。
例えば「詩仙の間」。
この部屋の四方の壁には、狩野探幽が描いた、名前の元になった36人の詩仙の肖像が掲げられています。
ちなみにこの36人は、日本の三十六歌仙にならい林羅山の意見をもとめながら漢晋唐宋の各時代の文人から選んだ、オリジナルセレクトだそう。
庭園造りの名手でもある丈山自身により設計された広い庭。
一般にししおどしとして知られる、添水 (そうず) と呼ばれる仕掛けは、丈山も気に入っていたそう。
これは音を鳴らして鹿や猪の進入を防ぐという実用性も持っているのですが、静かな庭に響く音はなんとも言えず風情があります。
江戸時代の人の同じ音を聴く、という実感も、体験を豊かにしてくれますね。
お庭は奥まで探検できます。春 (5月下旬) のサツキと秋 (11月下旬) の紅葉が有名らしいですが、私が尋ねた時は紫陽花が美しかったです。
水がすごく豊かな庭で、割りとワイルドなスケール感がありました。鯉もけっこう大きいのがたくさん泳いでる…
スポット設定できない!まさに穴場なカフェ。
詩仙堂から下山して、白川通りを修学院方面に歩いて下さい。半地下で見落としそうなカフェなんてすが、クリーニング屋さんの隣の隣ぐらい!
お店はけっこう広々していて、素敵な奥様が迎えて下さいました。店内の装飾と、半地下ならではの陽の差し込みかたが、落ち着いた雰囲気を演出してくれます。
ケーキも絶品!鮮やかな緑色をした抹茶のガナッシュが美味しかったですね、コクもあってお抹茶の風味も強くて。キャラメル味のタルトもちょっと苦味が残ってて良かったです。
お土産になりそうなクッキーや、かわいいお店のデザインロゴをモチーフにした小物も売ってました。
詩仙堂に負けず劣らず、ゆったりした時間の流れと上品な静かさを楽しる現代の隠れ家です。