地元の人なら絶対前を通過したことはあるけど、案外歴史を知らない、という人も多いのではないでしょうか。
ここは、四天王寺建立のための用材を求めて京都を訪れた聖徳太子が、霊夢を見て六角形の御堂を建て、そこに自分の護持仏である如意輪観音像を安置したことから始まったと言われています。京都の中でも古めの由来を持つお寺なんですね。「西国三十三所観音巡礼」の十八番目の札所であり、「洛陽三十三所観音巡礼」の一番目の札所でもあります。
六角堂の名前の通り、とにかく六角形!建築としても面白く、写真撮影にも向いたスポットかもしれません。
隣のビルに上って俯瞰で写真を撮ることもできるそうです
写真は池坊会館の模型。
webページなどにも季節ごとの写真があります。
もう一つ、このお寺の特徴は生け花発祥の地であるということ。実は、この六角堂(頂法寺)の住職を代々務めてきたのが池坊なのです。
聖徳太子の時代に、仏教と共に仏教儀礼が伝来し、仏前に花を供えるという文化が根付きはじめました。
住職を務める家として、この花をいけるという行為を文化・儀礼として高めていった結果、室町時代に生け花として確立したということ。
それ以来、住職と華道家元を兼ねるのがしきたりとなっているそうです。
伝統を受け継ぎつつ、時には革新を受け入れて文化として発展してきました。
すぐ隣にあるのが池坊会館。何があるのかあんまり知らなくて入ったこともなかったのですが、池坊の内部の方用の部屋だけでなく、
生け花に必要な用具や教科書のショップ、そして一般向けに生け花の歴史や池坊の文化財を展示してくれるスペースもあるんです。
一階には、なぞの野鳥鑑賞スペース(ほんとうに生きてる鳥がたくさんいます)と、鯉が泳いでるお池がありました。
7月に訪れたときは、祇園祭の期間中でした。
上階「いけばな資料館」での「屏風祭」の宣伝があったので、ここからエレベーターで上にあがります。
祇園祭は、街中に並んだ鉾や山、そして歩行者天国と露店が目玉ですが、『屏風祭』とも呼ばれます。
京都街中の家が、表の格子を外して秘蔵している屏風や美術品、調度品などを飾り、自分の家に伝わる文化財を祭りに合わせて、見物に来た人々にも、通りから鑑賞してもらえるようにします。
池坊も、変則的ではありますが、池坊に代々伝わるものすごい価値の歴史的文化財を、「屏風祭」に合わせていけばな資料館で展示してくれます。
撮影は禁止だったので、解説のパンフレットを載せておきます。
展示品の数はこの数十倍はありましたし、実物大で見る屏風の美しさには迫力さえありました。
いけばな資料館では、季節ごとにまた別のテーマで展示を企画してくれています。
一通りお庭づくりなどで、山など外の自然風景を借りて表現を完成させることを借景といいますが、
ここのスタバは、六角堂サイドがガラス張りになっていて、まるで境内でお茶しているような広々とした空間が演出されています。
抹茶のワッフルと、ホワイトモカのホットをマグカップで注文。京都のデザインのマグカップに入れてくれました。
窓際の席でまったりするもよし、友達と盛り上がるのもより、また作業やお勉強にももちろん使えます。
オフィス街の中にも、深い歴史と一流の文化が眠っているのは京都ならではと言えるでしょう。
しっかり観光したい方も、どこか仕事や遊びの行きかえりでも、ふらっと寄って歴史に触れるプランのご紹介でした。