本日は平城遷都1300年を迎えた古都、奈良へ。
今まで何度も足を運んだ経験がありますが、大阪から1時間もあれば訪れることができるため、、宿泊するのは今回が初めて。
しかもあの憧れの奈良ホテルに宿泊するとあって気合い十分。
昨年秋から駅からホテル間は無料の送迎バスが運行するようになりましたが、今回は散策を兼ねて徒歩で向かうことにしました。
駅から商店街を抜け、ならまちを抜けた先、ふと正面を見ると北方向に興福寺の五重の塔が見えました。
ここから奈良ホテルへまでは徒歩5分ほど。
奈良ホテルの敷地内にある聖ラファエル協会を横目に丘を登った先にあります。
丘を登った先には奈良ホテルの正面玄関が見えてきました。
ネットで何度も見た光景にすでに感動...。
こちらの奈良ホテルは東京駅や日本銀行を設計した辰野金吾氏によって設計された和洋折衷で豪奢・華麗な建物です。
創業は明治42年。今年で109年を迎えましたが、莫大な費用をかけて建てられた当館は長年の天災に晒されたにも関わらず立派で堂々とした風格。
この場所に世界中の偉人が足を運んだと思うと、グッときます。
正面玄関を進みロビーへ。
吹き抜けのロビーは天井が高く、細やかな細工が施されていることが遠目からでも確認することができて、まさに「迎賓館」という言葉が似合う作りになっています。
外観は和風の作りですが、館内は洋風という、ハッキリとした和洋折衷作りになっており、暖炉に鳥居が取り付けてあったりと様々な場所から伺えます。
ここまで聞くとお値段もかなりお高いイメージになりがちですが、比較サイトなどを利用すると1泊1人1万円代〜宿泊することができます。
フロントにはいつの時代のものか想像がつかないほどの年季の入った立派な掛け時計に吊り下げられた間接照明には大仏のシルエットが施され、細部までこだわりを感じます。
奈良ホテルは新館と本館と別れているのですが、今回は本館のスタンダードツインに宿泊しました。
部屋に一歩入ってまず感じたことはとにかく天井が高いこと!
ここまで空間を贅沢に使用しているホテルに宿泊したの初めての体験。とっても落ち着きます。
その他、天井から吊り下げられたアンティークランプや大正時代まで使われていた和風の棚を取り付けたマントルピース(暖炉)など
隅々に対象ロマン感じるクラシカルな要素を取り入れ、ここが宿泊可能なホテルとは思えないほど品を感じます。
館内着はバスローブと浴衣の両方を備えており、ここにも和洋折衷を感じました。
タイル張りのバスルームは冬は少々冷え込みますが、これだけの歴史を持つバスルームでありながらも美しい水周りに感動...。
レトロなホテルによくある、排水溝の嫌な匂いもなく完璧です。
アメニティーも一つ一つ箱に入っていて清潔かつ品があります。
部屋の散策に満足すると館内散策へ。
歴史のある建築物が大好きな私は「すごいすごい」と大興奮!
館内には全面レッドカーペットが敷かれ、美術館を散策しているようです。
廊下にも大正天皇即位記念として取り付けられたスチーム暖房が設置されていました。
細やかな刻印がなんとも言えない美しさ...。残念ながら昨年現役を引退してしまったのだそう。
ロビー近くの廊下にはこれまでの奈良ホテルのあゆみが時代背景と写真とともに展示されていました。
ガラス張りの向こう側には当時の貴重な資料も展示され、中には女性の永遠の憧れである大女優オードリー・ヘップバーンが訪れた際の写真も。
当時と変わらないホテルの様子に驚きます。
また館内にはショップもあり、ここでしか手に入らないホテルのオリジナルグッズや奈良のお土産を購入することも可能です。
夕食までまだ時間があり、せっかくなのでティーラウンジも体験してみることに。
こちらはお昼はティーラウンジ、夜はバーとして営業しています。
写真を撮影しようとするとスタッフは写り込まないよう、何も言わずさっと身を屈めてくださり、細やかな気遣いに驚きました。
ティーラウンジからは自然豊かな庭が広がるだけではなく、その奥には若草山を眺めることができる絶景のロケーション。
静かで落ち着きます。
今回はケーキセット(1,350円)をいただきましたが、サンドイッチなどの軽食や豪華なアフタヌーンティーセット(3,500円)もあります。
ティーラウンジを満喫した後は奈良ホテル最大の魅力である、フロント正面から続く大階段へ。
この階段で多くの著名人が写真撮影を行なったことから人気撮影スポットとなりました。
階段のある約9mの吹き抜けには、和風のシャンデリアが設置されています。
こちらは春日大社の釣燈籠(つりとうろう)を模した貴重なもので、オードリー・ヘップバーンが先ほどの写真を撮影したのもこの場所です。
そして手すりの端にあるこの擬宝珠。
お寺などでみるものとちょっと違いますよね。
実は元々真鍮(しんちゅう)だったのですが、第二次世界大戦時に金属として供出されてしまったというもの。
その代わりとして奈良県産陶器として有名な赤膚焼で擬宝珠が作製されました。
歴史的背景像を世に残すため、真鍮に戻さず使用しています。
ここから個人的に大本命といえるロビーの桜の間へ。
広々としたロビーはこれまた天井が高く、開放感抜群です。
重厚感のある立派なソファーにクラシックな照明が優しく部屋を照らします。
ここにあるのが二大巨頭とも言える品。
一つは木製のピアノ。上に飾られた写真を見るとなんとアインシュタインが弾いているではありませんか!
そう、これはあの世界的理論物理学者「アルベルト・アインシュタイン」が弾いたピアノ。
触れることはできませんが、月に一度このピアノで演奏会が行われているのだそう。すげぇ
またこちらの「平成の大時計」は天皇陛下の御即位を記念して平成2年に設置されたもの。
実際に陛下がこの場所を訪れ、音色を聞いたそう。
現在でも15分毎にメロディーが流れ、聞くことが可能です。
とても心地の良い音色でした。
ジブリの「耳をすませば」に登場する時計に似てるかも。
館内散策を終え、お部屋でまったりしているとあっという間に夕食の時間に。
奈良ホテルにはフレンチが味わえるメインダイニングルーム「三笠」と日本料理が味わえる「花菊」があるのですが、
今回は奈良ホテルのとある名物を体験するため三笠にしました。
披露宴にも使用されるクラシカルなデザインのダイニングルーム。
こちらも天井が高く、天井からは和風のシャンデリアが吊り下げられています。
「関西の迎賓館」として、偉人を招いてパーティが開催されたことを想像するとロマンを感じます。
ディナー席は窓側へ案内していただきました。
ちょっとしたバラと小さな傷が歴史を感じさせる美しい銀食器。
窓からはホテルへ向かう際に見た興福寺の五重の塔がライトアップされ暗闇に浮かび上がります。
哀愁漂う空間にうっとりとしてしまいます。
今回のコース料理は7品+シャンパン付きで8,000円ほどでした。
シャンパンはノンアルコールもあるのでお酒が苦手な方でもお席を楽しむことができますよ。
アミューズから始まり、オードブル、ポワソンと続きます。
そしてこちらがメインのビーフシチュー!
奈良ホテルといえば、ビーフシチューと言っても良いほど人気のお料理。
香り高いルーの中には甘く柔らかい野菜がゴロゴロ入っていて、野菜嫌いの方でも驚くほど美味しく食べられます。
またパンにつけて食べると止まらない!笑
そして角煮のような大きなビーフが3つも入っていて、食べ応え抜群。
「パートナーは少ないかな?」と思いましたが、このお肉により一撃でお腹いっぱいに。
美味しいと同時に包まれるなんとも言えない幸福感。本当に感動もの。
お口直しのソルベにライムのシャーベットをいただき、食後のデザート。
フルーツとケーキの盛り合わせはいっぱいのお腹に丁度良い量。
紅茶の場合はロンネフェルト社のものを7種類の中から選ぶことができます。
ノンカフェインもあるで、夕食が遅い時間でも安心です。
普段は寝つきが悪く朝方まで眠れないことが多々あるのですが、この日はぐっすりと眠ることができました!
また建物が古いので隙間風などが心配でしたが、暖房が備わっているため、寒さは全く気になりませんでした^^
ただ廊下を歩く足音などは聞こえるため、小さなお子さんを連れて宿泊するのは難しいかなぁというところ。
次の日は朝9時に起きて朝食へ。
今回の宿泊プランはレイトチェックアウト+朝食付きのプランを予約しました。
奈良ホテルの朝食といえば、奈良伝統の朝食スタイルである、茶粥!
奈良には茶粥を提供するレストランがいくつもありますが、お店によって使用する食材も出汁も様々です。
こちらの茶粥は緑茶で炊いたもので具材はなく、とてもシンプルです。
その他、焼魚やだし巻き、煮物に和え物、胡麻豆腐、みそ汁、香の物がついてとても豪華!
種類が多いので「朝から重くなりそう」と思いきやどのメニューも優しい味ですんなり完食してしまいました。笑
こちらは洋定食。
様々なメニューから好きなものを組み合わせることができるのですが、ぜひオムレツを選択してください。
卵をたっぷり使用したオムレツはふわふわでしっとり。
今回はその他にサラダとフレンチトースト、コーヒーを選択しましたが、パンを選択した場合は奈良特産の柿のジャムを塗ることができますよ。