かつては、皇居をはじめ、貴族たちの屋敷や住宅が並んでいた京都御苑。
多くの歴史を感じられると同時に、四季折々の自然の姿を楽しめる自然豊かなエリア。今では京都市民の憩いの場所としても親しまれています。
京都御苑の敷地内の多くは砂利が敷かれています。
市民が移動手段として使っている自転車がこの砂利道を通り、誰かが通った轍をまた誰かが通り…いつしかできた道が「御所の小道」(「御所の細道」とも)の正体。
御苑内にあるたくさんの「御所の小道」を見つけながら歩いてみるのも面白いかもしれませんね。
五摂家のひとつ、九條家の邸宅跡にある茶室が拾翠亭。九條池にかかる橋から眺める拾翠亭は、京の雰囲気満載です。
また、九條池には優雅に泳ぐコイやのんびりひなたぼっこをするカメの姿に思わずほっこり。
東京遷都までは閑院宮家が過ごしていた屋敷。
現在は、写真や展示品などで京都御苑の歴史と自然について学べる場所となっています。
立派な庭や中庭、天井に「蟇股(かえるまた)」という珍しい造りが施された一室も見られ、当時の公家の雅な雰囲気も感じ取れます。
※入場無料
1992(平成4)年まで防火用水として引かれていた「御所水道」の水を使って作られた人口の小川(水道が閉鎖された後は井戸水を循環させているようです)。
木陰の中をさらさらと流れる涼やかな雰囲気に癒されること間違いなし!
日本古来の楽器である「琵琶(びわ)」の宗家であった西園寺(さいおんじ)家の屋敷跡の近くにある神社。
音楽の神様である妙音弁財天が祀られています。
また、この屋敷内に西園寺公望(きんもち)が作った私塾が「立命館(りつめいかん)」。
京都の有名私立大学である立命館大学の礎はここからスタートしたんですね。
京都御苑には散策路も充実しています。そのひとつが、ここの梅林と桃林。
梅林は1~2月、桃林は3~4月ごろ、そしてそのあとは苑内の桜が見ごろに。
冬から春にかけて、それぞれの花が季節の移ろいを感じさせてくれます。
江戸時代に起こった大火まで一度も開くことがなかったこの門。
火にあぶられて初めて開かれたことから「蛤御門」と呼ばれることになったとか(最近はこの説を覆す説も出ているようです)。
門に見られる多数の穴のような傷跡は、江戸時代末期に起こった動乱での銃痕。
幕末当時の混乱、激戦ぶりを垣間見ることができます。
思いのほか広い御苑の散策にぴったりな休憩スポット(冷暖房・Wi-Fi完備、利用無料)。
中には休憩スペースのほかに、ちょっとしたお土産コーナー、そしてレストランも併設されています。
この日のお昼ごはんにチョイスしたのが、「京湯葉丼(1080円・税込)」と「季節の野菜カレーうどん(880円・税込)」。
どちらも京都らしさを感じる上品なメニューで、おいしくいただけますよ。
明治2(1869)年まで皇居として使われていた京都御所。
一般公開もされており(無料ですが、期間が決められているので事前に調べるのをお忘れなく)、一部ですが歴代天皇が暮らしていた御殿を歩くことができます。
一番の見どころは紫宸殿(ししんでん)にある、即位礼正殿の儀で実際に使用された高御座(たかみくら)と御帳台(みちょうだい)。
厳かな雰囲気に思う存分浸ることができます。
五摂家のひとつ、一条家の屋敷に存在した井戸。
この井戸の水で身を清めると出世すると言われたり、大和物語では病気を治す水とも紹介されたり、なんともありがたい井戸だったようです。
今は出世めあてにここに来ても、井戸水には触れられません。悪しからず…。
五摂家のひとつ、近衛家の邸宅跡です。
今はひっそりとした雰囲気に包まれていますが、御所が火事になった時は仮の皇居になったほど、立派な屋敷があったようです。
春になるとこの付近の枝垂れ桜を眺めに多くの人がやってくるスポットにもなっています。
京都御苑の周りには多くの建物が並び、通りにはたくさんの車が。
でも、一歩中に足を踏み入れると、そこは歴史と自然を同時に感じられる癒しのエリア。
マイナスイオンを体いっぱいに浴びながら、都であった当時の雰囲気を感じながらの散策は、きっと都会の喧騒を忘れてリラックスできるひとときになるでしょう。