奄美大島は、鹿児島県に属している知るひとぞ知る南国の島。
奄美群島の中で一番大きな離島で、他に奄美群島に属する島は、徳之島、沖永良部島、喜界島、与論島、加計呂麻島などがあります。
年中通して温暖で、気温次第では12月まで海に入ることもできるほどの暖かさ!
ハイシーズンは7月~9月ですが、あてシーズンを外して10月~12月にチャレンジするのもアリですね。
かつては琉球王国、薩摩藩の統治下にあった島で、沖縄の文化・鹿児島の文化が入り混じり、独特の文化が形成されている歴史的にも注目の島です。
奄美群島が持つ特有の自然が2020年の世界遺産の登録候補地となっており、その珍しさ・面白さが世界に認められようとしています。(新型コロナウイルスの影響により決定が延期となっているので、今後の動向を見守りましょう。)
東京、大阪、福岡からは飛行機の直行便があります。
特に、東京の成田空港、大阪の関西空港からはPeachが就航しているので、コストパフォーマンスの良い旅が期待できます!
また、鹿児島空港からも毎日数本就航しているので、鹿児島で乗り継ぎをして奄美大島に向かうという方法もあります。
鹿児島本土の旅行を楽しんだ後に、奄美大島に向かうというのも味のある旅になりそうですね。
できるだけ移動時間を短くしたい人、コスパ良い旅をしたい人は飛行機での移動がおすすめです。しかし、飛行機は奄美大島の北部にあります。奄美大島の中心となっている街は南部の方にあり、車で2時間以上かかるため、プランをある程度想定しておきましょう。
もうひとつの奄美大島への交通手段は、「フェリー」です。
夕方頃に乗船し、朝の9時頃に到着するので、実際には「寝ていたら奄美大島に着いた」という感覚です。
乗り物酔いがひどい方にはあまりおすすめはしませんが、船旅の醍醐味は「なんだかいつもと違う旅の始まりを実感できる」ことです。
私の体験談ですが、まず、普段よく使う交通手段の車や電車、飛行機と違う乗り物に乗るという感覚から、良い緊張感を味わうことができます。
また、飛行機でも海上を通過しますが、飛行機とは違った海との距離感、海のにおい、波のしぶき、波の音、たまに跳ねる魚、そして、徐々に近づいてくる島。
全ての光景や起こることに、五感をフルに使って楽しむことができます。
早朝に起きて甲板に出て朝日を見るのも非常におすすめです。
家族や友人、恋人と眺める絶景は最高の思い出になります。
いつもと違う旅を楽しみたい人、時間に余裕のある人はフェリーをおすすめします。
個人的にはどちらもぜひ体験していただきたいので、行きはフェリー、帰りは飛行機と、うまく休みを取ることができたらどちらも使ってみてくださいね。
離島なので、交通機関はそれほど発達していません。
島民は9割以上の人が車で移動をします。
なんと、島の高校生たちは通学の際に原付で通う人もいるほど!(たくましい!)
なので、「観光地をいくつも回りたい!」と考えている方は、レンタカーを借りる必要があることを念頭に置いて旅のプランを組みましょう。
しかし、本数は少ないですが、バスを運行している地域もありますし、タクシーもあるので、プランを立てる際に考慮してみるのもアリですね。
泥染めを体験する人は、選んだ工房次第では辺鄙なところに行く必要もありますので、アクセス情報はしっかり押さえておきましょう!
奄美空港は、奄美大島の北部に位置しています。
離島の空港とはいえ、非常にキレイな空港です。
お土産コーナーはコンパクトにまとめられているので、お土産はできるだけ島内のどこかで買うのがおすすめです。時間がなくてもお土産をどうしても買いたい人は利用しましょう。
大体の飛行機は11時半〜15時の間に到着する便が多いです。
到着したら遊ぶ時間もなく、そのまま宿に直行というパターンもよくあり得ると思いますので、到着時間と絶対にいきたい場所のチェックは必須!
空港付近にはいくつかレンタカー屋さんがあります。
事前に手配をしておきましょう。
レンタカー屋さんのほとんどは飛行機が到着する時間に迎えに来てくれるので、レンタカー屋さんまでの足は心配いりません。
今回は、奄美空港から車で10分ほどで行くことができる染め工房『アキラ染色・工芸』で体験をさせていただきました!
奄美大島には至るところに泥染め体験ができる工房や施設がありますので、スケジュールに合わせながら工房を選んでみてくださいね。
今回『アキラ染色・工芸』を選んだ理由は、宿泊した『伝泊』と連携して体験を提供している工房だったから!
ホームページやSNSをやっていない工房なので、情報は限りなくゼロに近いですが、それもまた旅の醍醐味。
「大島紬」は奄美大島の伝統工芸品のひとつで、手間ひまかけて作られるとても高価な着物です。
世界三大織物と呼ばれるほど、非常に細かい工数で職人さんたちが大島紬を作っています。
大島紬を作り上げるにはたくさんの工程がありますが、そのひとつが『泥染め』。
絹糸を泥とテーチ木(車輪梅の木)で染め上げていく工程で、泥染めをすることで大島紬独特の色に仕上げていきます。
世界で唯一、奄美でしか体験できない伝統工芸で、奄美大島に行くならスケジュールに加えておくことはマストと言えるでしょう。
工房の予約時間は限られています。
予約も1週間前までの受付となっていますので、スケジューリングはしっかり行いましょう。
予約が済んだら、当日染めるものを用意するだけ。
工房で用意をしてくれる場合もありますが、自分で選んだTシャツ、ハンカチ、靴など、オリジナルのお土産がほしい人は絶対に用意をしていったほうが嬉しい気持ちがマシマシです!
今回は、13:00に工房に染めの予約をしました。
『あきら染色・工芸」では、泥染めの他に藍染めの体験もすることができます。
どちらかの体験もできますし、両方体験をすることもできます。
所要時間は2時間〜4時間ほど。
染めるものの大きさや数量によって体験時間は変わってきます。
体力に自信のない人は、ハンカチや小物の染めをおすすめします。
はじめは職人さんからの説明をしっかり受けましょう。
だいたいどのくらいの時間がかかるのか、どのくらいの濃さに染めたいのか、何を染めるのかなど、職人さんが説明したり質問してくれたりします。
説明を受けて、専用のエプロン&手袋を付けて染めの体験が始まります。
できるだけ汚れてもよい格好で来ることがポイントです。
工房にクーラーはないので、汗をかきながらの作業になりますが、職人さんの気分を味わいながら体験をすることができるので、これも旅の醍醐味!
テーチ木染めの工程は、まずは島に自生するテーチ木(シャリンバイ)をチップ状にして煮出し、1週間発酵させた液を作ります。
この液を使用し、茶褐色になるまで煮汁で染める工程を複数回繰り返し、泥染めの工程に移ります。
その工程を踏んだあと泥に入れることで、木に含まれるタンニン酸と鉄分が化合し、化学染料ではつくれない独特の渋みのある黒に染まるという自然の神秘を感じることができます。
このテーチ木の回数を重ねるごとに、泥の色が入りやすくなり、濃い色に仕上がります。
染める素材は「綿100%」を用意することがポイントになります。
素材や生地の厚さによっては染まり具合が変わってくるので、染まり方も一緒に体験する人と比べながらやるのも体験の楽しみ方のひとつです!
テーチ木の染めが終わったあとは、泥染めをする田んぼに向かいます。
よく日本の風景で見る水田のような場所でやるのかと思いきや、少し森の中に入ります。
ワクワクしながら、坂を降りると、天然の泥田をいくつか発見!
職人の指示を聞きながら、泥染めをしていきます。
奄美の自然界に存在する泥田は、鉄分がすごく豊富であることが特徴。
鉄分が豊富なため、泥染めの体験ができるのです。
そして、これは体験した人にしかわからない話ですが、泥田の中は底無し沼のように(底はあります)ズブズブ沈んで飲み込まれるかのよう。
足にギュッとまとわりついてくる泥が面白く、都会では体験することのない貴重な感覚!
約2時間の工程を終え、泥染め体験終了です。
しっかり色を付けたい!という要望があれば、何回かテーチ木と泥田での染めを繰り返し連れて行ってくれるので、ご心配なく。
染めや農業のお仕事をしつつ、空き時間に体験の客を迎えるという形で受け入れをしている工房なので、できるだけ予約は早めに&準備物は事前に用意をして向かいましょう。
泥染め体験で汗はぐっしょり&思い出たっぷりと満たされた中、宿にチェックインです。
あきら染色・工芸と同じく、笠利町にある宿泊施設『伝泊』へやってきました。
島に暮らすように泊まることのできる、「伝泊」の4つのシリーズの中の一つが「伝泊・古民家」です。
奄美大島北部の笠利町だけでなく、加計呂麻島、徳之島にもあり、集落内の使われなくなった古民家を宿泊施設として再利用しています。
「伝泊・古民家」の最たる特徴が「奄美ならではの伝統建築構法を使って改修を行っている」点です。
台風や強い雨風、湿気の高さに対応した家の造り、島民の生活に根差した部屋の配置などをできるだけそのまま使用し、宿泊者が島の暮らしを再現し、楽しめるように改修を行っているそう。
オシャレだけど、懐かしく、ホッとする。
旅行だからと言って、着飾らない、ありのまま過ごすことができる宿です。
宿まで案内をしてくれるコンシェルジュが宿の特徴などをしっかり説明してくれます。
島出身の人が多いので、オススメの観光地、オススメの過ごし方を聞いてみましょう。