ここは大正時代に作られた庭園で、他の大名庭園に比べて比較的新しい庭園です。
武蔵野台地の斜面とその上下の土地を活かした作りで、洋館、斜面にある西洋庭園と低地の日本庭園の3つのエリアに分かれています。
入り口は一ヶ所で、立派な門をくぐるとすぐ受付があるので、そこで入園料を支払います。
入園料を払い園内に入るとすぐ見えてくるのがこの洋館です。
旧古河庭園らしさを感じるこの洋館と、その下にある洋風庭園は、日本の建築に大きな影響を及ぼしたジョサイア・コンドルの設計。
ジョサイア・コンドルはこの洋館の他にも旧岩崎邸庭園の洋館や、ニコライ堂などの設計でも知られています。
石造りで、深いグレーをベースにした洋館は、その色合いもあり品のある落ち着いた印象。
洋館から階段を降りると、斜面には洋風庭園が広がります。
階段を挟んでほぼ左右対称に作られた均整の取れた庭園です。
約100種類、199株のバラが咲くバラの名所として知られ、春と秋には様々なバラを楽しめます。
西洋庭園の下段はツツジやイロハモミジなど、和のテイストになっています。
洋館から西洋庭園への階段は均質で整った表面の階段だったのが、西洋庭園から和風庭園への階段ではゴツゴツと荒い印象に。
そのような細かなところで、洋から和への自然な移り変わりを狙って作っているそうです。
低地に降りてくると、雰囲気はガラリと変わります。
それまでの整然とした美しさから一変、山奥のような鬱蒼とした緑に覆われた中を散策できます。
黒ボクいしづみや崩れ岩など、さりげなく存在する日本的な美しさを感じるスポットも見どころ。
日本庭園内には抹茶をいただける茶室があります。
入っていいのか少し迷うような場所にありますが、看板があるので勇気を出して入りましょう。
森の中に佇む小さな一軒家の室内で、森を眺めながら抹茶をいただけます。
この室内からの眺めが最高に絵になるので、旧古河庭園に来たらぜひおすすめしたい場所。
和と洋の日本庭園、洋館と、一つの庭園でいろいろ楽しめる場所です。
バラの咲く5月の一時期は、洋館や日本庭園など含めて園内がライトアップされ、ファンタジーの世界のような幻想的な雰囲気も味わえます。
【最寄り】
JR京浜東北線 上中里駅より徒歩7分
【開園時間】
9:00~17:00(入園は16:30まで)
【休園日】
年末・年始(12月29日~翌年1月1日まで)
【入園料】
一般 150円
65歳以上 70円
(小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)