横に十勝川、遠くに日高山脈を眺めながら、自転車で安全に走行できるサイクリングロード(正式には「十勝川温泉帯広自転車道線」といい、正真正銘の自転車専用道路なのです)。
アップダウンがほとんどなく開放的なので、爽やかな風を感じながらこれからの町巡りのウォーミングアップもバッチリ。
ゴールデンウィークごろ(北海道の桜のシーズンは本州に比べてずいぶん遅いです)には、見事な桜並木を走り抜けることもできますよ!
サイクリングロードを抜け、南に道を進めてしばらくすると帯広の中心街のシンボル的存在、広小路商店街に到着。
十勝広しといえども、アーケードのある商店街はここだけ!
街頭放送(わかります?)が延々と流れており、地方の商店街のレトロな雰囲気を思う存分に味わうことができます。
近くには、これまた道東(十勝・釧路・根室地方)唯一のデパート「藤丸」や北海道銘菓で有名な「六花亭」の本店もありますよ。
中心街から東に抜け、市街地で最初に電信柱が立ったことからその名前がついた「電信通り」に入ります。
さあ、小腹がすいたところでエネルギー補給をしましょう。
このお店、「たかまん」の愛称で呼ばれ、地元でも大人気! 駐車場もありますが、多いときはすぐに埋まってしうほど。もちろん行列ができることもしばしば。
肉まんやあんまん、蒸しパン、ソフトクリームなどもありますが(なぜかまんじゅうは売ってない(笑))、ここの一番人気は大判焼き(北海道では大判焼きのことを「おやき」と呼びます)!
チーズとあんこの2種類から選べ、お客さんのほとんどがこのおやきを買っていきます。
帯広のソウルフードともいえる「たかまんのおやき」、ぜひご賞味を!
帯広は典型的な計画都市で、帯広中心地を南北に通る「大通り」を中心に、南北に通る道路は東に向かっていくにつれ、「東1条」「東2条」「東3条」…と名前が付けられています(もちろん、西に向かうと「西1条」「西2条」…となります。ちなみに、東西に走る道路は国道38号線を中心に北方向の道路が「北1丁目」「北2丁目」…、南方向が「南1丁目」「南2丁目」…となります)。どこにいるかわかりやすいので迷子になることもありません。
東1条に位置するここのお弁当屋さん。十勝・釧路地方に展開している「ヤムヤム」というチェーン店なのですが、目玉が帯広と同じ道東地区の都市、釧路が発祥と言われている「ザンギ」!
かなり大ぶりのザンギで、肉もムネ肉(あっさり)かモモ肉(ジューシー)かを選べるのもうれしいポイント。
ザンギがたくさん食べたいときは迷わずヤムヤムがおススメです。
さらに東に走り、十勝川の支流であり清流日本一に何度も選ばれた札内(さつない)川を渡る橋の手前を北に曲がります。
しばらく走らせると札内川の河川敷に到着。後方には帯広川もあり、広々と開けた場所は開放感たっぷりです。
この先、2つの川はスタート地点で眺めた十勝川と合流します。
お弁当はさきほどの「ヤムヤム」の「のりから弁当(500円)」!
札内川の穏やかな流れの隣、そのせせらぎの音をBGMにランチなんて、至福の時間…。ランチ後はぼ~っとお昼寝ってのもいいですね。
西に進んで行き、帯広が最初に開拓された東地区にある、その名も「発祥の地公園」を目指します。
江戸時代には、皆川周太夫(みながわしゅうだゆう)がアイヌ民族が暮らしていたこの地域に、和人として初めて上陸したといわれています。
また、目地時代には依田勉三(よだべんぞう)を中心とした晩成社(ばんせいしゃ)がこの付近に入植し、開拓を始めたといわれている、歴史を感じる公園です。
旧帯広川に沿って遊歩道も整備されており、散策にもぴったり。
ハルニレやヤチダモなどの河畔林が残っており、川には魚、林には野鳥と会える自然と融合した公園です。
サイクリングのシメはやっぱり温泉!さっぱり汗を洗い流しましょう。
ちなみにここの温泉名の「オベリベリ」とは、アイヌ語の「オペレペレケプ(河口がいくつにも分かれている川)」がなまったもので、帯広の名前の由来にもなっています。
泉質は肌がすべすべになると評判のモール温泉。広々とした大浴場はもちろん、乾式&湿式サウナ、水風呂、そして広々とした露天風呂とバラエティ豊かなので思わず長湯してしまいそう。
440円(大人)で本物の温泉でスーパー銭湯並みの施設でくつろげるのはお得ですよ。
露天風呂から見える木々はアオサギのコロニーになっているので、シーズンになると子育てに奮闘するアオサギも見られます。
休憩所はWi-Fi完備、フローズンやアイスなども購入できるので、入浴後もゆったりできますよ!
帯広をはじめとする北海道の都市は、明治以降に開拓した原野に計画的に作られた都市が多いのが特徴です。
その分、平坦で直線が多く、位置がわかりやすいので、サイクリングでゆったり町巡りをするにはピッタリかもしれません。
開拓の痕跡が残る地名や場所を巡って歴史を感じながら、自然に触れたり、おいしいものを食べたり、温泉に入ったり…さあ、あなたもLet's サイクリング!