皆さんも御存知、高級焼肉店の鉄板よろにく。
「ねーなんで知らないのー」と言われたのは秘密にして、行きたいと言ってるんだから予約するか、と渋々電話。
しかし予約が取れない。
「その日は予約がすべて埋まってしまっており、」「21:30~からであれば空いているんですが」
何度断られたことだろう。
正直この店じゃなくてもいいのではないかと、
相方に打診をしてみるも不機嫌な顔。
仕方ないと諦め、鬼の架電。
やっとこさ夕方に予約が取れたことを相方に隠し、
「まあ叙々苑おごってやるから」
と連れ出しサプライズ。
あの顔を見られるだけで満足だ。
という妄想をしながら電話をすると、
なぜか一発で予約が取れてしまったのだが、
さて私に相方などはいないのである。
まあ有名な店だから女の子誘えば喜んで来てくれるだろうと甘い期待とは裏腹に、
断りの連絡が止まらない携帯。
涙を咽んで、旧友と来店。
肉なんて焼けばだいたい同じ味と思っていた私に衝撃が走る。
「うまままっまい」
そう、うまいのである。
言葉にできないとはこのことだ。
驚きと感動を繰り返しながら、無意識的に箸が進むこの肉。
「なんだこの肉…」
とつぶやく私に「牛肉」とだけ答える冷たい旧友。
飯の味もわからないやつと来るべきではなかったと悔やむ私。
そこに現れる店員さん。
「そちらは希少部位 ミスジ シルクロースです。」
と優しく、かつスマートに答えてくれる。
最高のホスピタリティーだあああああ!!!
ちなみにデザートのかき氷も死ぬほどうまい。
氷のような心を持つ旧友は、「ただの氷じゃん」と言って食べなかった。
奴とは金輪際、うまい飯を一緒に食すことはないだろう。
<完>