国立科学博物館上野本館には、1931(昭和6)年に竣工された建物で、上空から見ると科学技術の象徴である飛行機の形をしています。上野駅公園口からは5分ほどの距離です。
入館料:一般・大学生 1600円 、小・中・高校生 600円 ※常設展は一般・大学生 620円、高校生以下は無料
開館時間:9:00~17:00(金曜日は20:00まで)
休館日:月曜日
今回の特別展は「恐竜展2016」です。
①恐竜の起源、②植物食、③飛翔、④水中進出、⑤赤ちゃん、⑥恒温、⑦鳴き声とテーマごとに分かれています。
植物食恐竜カマラサウルスの化石です。最初の方は、さすがに人が多すぎて、なかなかじっくりと見られませんが、この辺は、さらっと見ていきます。
④水中進出のエリアまできました。
今回の目玉のひとつ、全長約12mの肉食恐竜ティラノサウルス「スコッティ」登場です。1991年にカナダで発見され、2013年に全身復元骨格が完成。これまで発見されたティラノサウルスの中で最大級です。
さて、その隣にいるのが、今回の最大の目玉が、前長約15のスピノサウルスです。
1912年にドイツで発見されたのが最初ですが、第二次世界大戦時に標本のあった博物館がミュンヘンが爆撃されて焼失したため、謎に包まれていた恐竜でした。
しかし、2008年にモロッコで新しい化石が発見され、2014年に新たな全身復元骨格が作られ、様々なことが分かってきました。
以前から魚をとっていた恐竜とは言われていましたが、今回は新た、かなり長い時間水中で生活していた恐竜であった、という新しい説が提唱されています。今後、恐竜図鑑などで描かれていた姿が、水中を泳ぐものに変わっていくかもしれません。
背中の帆は最高1.7mの長さですが、その役割は不明です。夜は休み、昼に太陽が出てから行動していた恐竜と言われており、もしかすると、体を温めるために利用していたのかもしれません。
シアターのコーナーでもその大きさを大画面の映像で体感できます。
⑤赤ちゃんのエリアでは、トリケラトプスのなかま「カスモサウルス」とその赤ちゃんを見られます。
さらに、同じエリアにはチンタオサウルスの姿も。1958 年に、中国の青島(チンタオ)で発見された恐竜で、頭に不思議な1本の突起を持っています。性差や、年齢を見分けるという説もありますが、何のためについているのかは不明です。
お次は、パラサウロロフスの頭部。トサカをつかって音を出していたのではないかと予測されている恐竜です。
⑦鳴き声のエリアでは、実際にパラサウロロフスのオーボエのような鳴き声を再現しています。絵のパラサウロロフスを触ると、鳴き出します。
⑥恒温では、ロシアで発見された植物食恐竜クリンダドロメウスには、羽毛のようなものでおおわれていることがわかっています。
これまで羽毛が発見されているのは肉食の獣脚類、植物食の鳥盤類から見つかったのは初めてのこと。この発見で、今後、恐竜の解釈が大きくかわっていくかもしれません。
「恐竜博2016」第2会場のクリーニング・ラボでは、化石クリーニングの実演が見られます。カナダ・アルバータ大学古脊椎動物学部上級技術者のクライヴ・コイさんです。
開催日3月8日~4月3日、6月2日~6月12日
恐竜展に来たら、常設展もはずせません。内装もリニューアルして一新しました。
こちらはジュラ紀最大の肉食恐竜アロサウルスです。
三本角の「トリケラトプス」、群れで襲う肉食のハンター「ヴェロキラプトル」、石頭恐竜の「パキケファロサウル」など、有名どころの恐竜をじっくりとみられます。
ティラノサウルス、ディプロドクス、キティパティ(シチパチ)、ステゴサウルス、ミクロラプトル、始祖鳥などなど、恐竜図鑑には欠かせない恐竜たちの化石を、直に見ることができ、見ごたえいっぱいです。いろいろな形のツノ竜の頭も豊富です。
帰りに全地球型映像施設「シアター36○」も見ました。こちらは愛・地球博のときに長久手日本館で使われたものです。なかなか面白い映像世界を楽しめます。宇宙の誕生や人類の旅、恐竜世界、海の食物連鎖など、いくつかある映像のうち2つを楽しめます。
『恐竜&古生物超最強図鑑』(永岡書店)は、水中を泳ぐスピノサウルスのイラストなど、ディープな最新の恐竜情報満載です。
今も新しい発見があり、進化しているかのように、変化を続ける恐竜たち。図鑑で知識を入れてから博物館へいくと、さらに楽しむことができます。